木造住宅の耐震補強リノベーション|安心して長く住むための基礎知識
2025年12月09日更新
木造住宅の耐震補強リノベーション|安心して長く住むための基礎知識
中古の木造住宅を購入してリノベーションする際、多くの人が気にするのが「耐震性」。
特に1981年以前に建てられた“旧耐震基準”の住宅では耐震性能が不足しているケースが多く、安心して暮らすためには耐震補強が欠かせません。
この記事では、木造住宅の耐震補強リノベーションの基本から、工事内容や進め方のポイントまで、初心者にもわかりやすくまとめています。
■ なぜ耐震補強が必要なのか
日本は世界有数の地震国で、住宅の耐震性は安全に直結します。
木造住宅には以下のような弱点が見られる場合があります。
● よくある木造住宅の弱点
筋交い不足による耐力不足
無筋基礎や劣化した基礎による不安定さ
接合金物の不足や規格外施工
壁量や配置バランスの悪さによる「ねじれ」
こうした構造上の問題は、地震時の倒壊リスクを高めます。
■ 木造住宅の耐震補強で行われる主な工事
耐震補強は複数の方法を組み合わせて実施します。
① 耐力壁の追加・補強
壁内部に筋交いや構造用合板を入れ、揺れに強い壁へ改善します。
② 基礎補強(増し打ち・補修)
無筋基礎へのコンクリート増し打ち
ひび割れ補修
必要に応じた新設基礎の追加
家の根幹を支える重要な工事です。
③ 金物補強
柱・梁・土台の接合部に専用金物を追加し、揺れによる抜けや外れを防ぎます。
④ 屋根の軽量化
重い屋根は建物の揺れを大きくします。
軽量屋根材へ変更することで耐震性が向上します。
⑤ 間取り変更に伴う構造補強
壁を抜くリノベーションを行う場合は、構造計算に基づいた補強が必要です。
■ 耐震補強の流れ
耐震補強は以下の流れで進めるのが一般的です。
事前調査(インスペクション)
購入前に劣化状況や耐震性を把握できます。耐震診断(現地調査)
専門家が基礎・柱・壁・床下などを調査し、弱点を明確化。補強計画の作成
どの部分をどの工法で補強するか、家全体のバランスを考慮して設計します。耐震補強工事の実施
解体を伴うリノベと同時に行うと効率的です。工事内容の確認
設計通りに施工されているかをチェックします。
■ 耐震補強リノベーションのポイント
● ① バランスの良い補強が重要
一部だけを強化するのではなく、家全体のバランスを考えた補強が必要です。
● ② 見えない部分ほど重要
壁や床下にある構造部分の補強は、仕上げよりも優先度が高い工事です。
● ③ リノベーションと同時に実施すると合理的
壁・床を開けるタイミングが重なるため、手間が少なく効率的です。
■ まとめ|安心できる住まいづくりの要
木造中古住宅の耐震補強リノベーションは、
家族の命と暮らしを守るための最重要ポイントです。
デザインや設備を刷新するリノベーションと同時に、
ぜひ構造部分の安全性にも目を向けて、長く安心して暮らせる住まいを目指しましょう。