中古木造住宅を購入してリノベーションするための完全ガイド
2025年12月09日更新
中古木造住宅を購入してリノベーションするための完全ガイド
中古の木造住宅を購入して、自分たちの暮らしに合わせてリノベーションする人が増えています。新築の木造戸建てよりコストを抑えやすく、間取りの自由度が高いのが魅力です。しかし、木造住宅には独自の注意点もあり、正しい知識がないと想定外の出費が発生することも。
この記事では、木造住宅リノベを成功させるためのポイントを分かりやすく解説します。
1. 木造住宅リノベが人気の理由
① 間取り変更の自由度が高い
木造の最大メリットは 壁を抜きやすく、間取り変更がしやすい こと。
・部屋をつなげて広いLDKを作る
・吹き抜けを設ける
・階段位置を変える
など、大胆なプランも実現しやすい構造です。
② 新築より費用を抑えながら理想の空間にできる
中古+リノベなら、
新築(3,500~5,000万円以上)より総額を抑えて理想を追求できます。
③ 古い木造でも構造補強で長く住める
耐震補強や断熱改修をセットで行うことで、
築30〜40年の住宅でも性能を上げて住み続けることが可能です。
2. 木造住宅のリノベ費用の目安
工事内容や築年数により幅がありますが、一般的な相場は以下の通り。
● フルリノベ
800万〜1,800万円前後
※耐震補強・断熱改修を含むと1,500万円超になることも
● 部分リノベ
・水回り交換:200〜500万円
・外壁屋根の張替え・塗装:150〜300万円
・耐震補強(部分):50〜200万円
▶ 購入+リノベの総額目安:2,500〜4,500万円台
(立地や物件価格により変動)
3. 木造ならではの物件選びチェックポイント
木造住宅は“見た目だけでは判断できない”部分が多いため、以下は必ず確認したいポイントです。
① 構造の状態(耐震性)
特に 1981年(新耐震基準)以降 の住宅は耐震性能が現代基準に近づきます。
それ以前の住宅でもリノベ可能ですが、
耐震補強の費用が追加でかかる可能性が高い です。
確認ポイント
基礎のひび割れ
柱の傾き
白アリ被害の有無
小屋裏・床下の状態
※専門家(建築士)によるインスペクションが非常に有効。
② 給排水の劣化
木造の床下には給水・排水管が通っているため、
築20年以上は 配管交換を前提 にすると安心です。
③ 断熱性能
古い木造は断熱材が入っていないケースも多く、
夏暑く冬寒い家になりがち。
断熱リノベを行うことで住み心地が大きく変わります。
④ 外壁・屋根の耐久性
・瓦屋根のズレ
・スレート屋根の劣化
・外壁の割れ
・雨漏り跡
これらは追加費用につながるため、事前チェックは必須。
4. 木造リノベの進め方(ステップ)
STEP1:予算を決める
物件+リノベ+諸費用(6〜10%)を含めて総額で検討。
STEP2:物件探し・インスペクション
気に入った物件は、購入前に建築士に調査してもらうと安心。
STEP3:設計・プランニング
木造ならではの
・梁を見せる
・無垢材を使う
・古い柱を活かす
など“素材の魅力”を生かすことも可能。
STEP4:工事(約2〜4ヶ月)
解体後に予期せぬ劣化が見つかることもあるため、
余裕を持った予算設定が重要。
STEP5:完成・引き渡し
5. 木造リノベで失敗しないコツ
● 物件価格が安すぎる場合は注意
安い理由の多くが
・構造の劣化
・雨漏り
・白アリ被害
などで、結果的に高額な補修費がかかることも。
● 「耐震」「断熱」の性能向上をセットで検討
見た目だけのリフォームではなく、
長く住める家の“中身”を整えることが重要。
● 解体後に追加工事は発生しやすい
木造は開けてみないと分からない部分が多いため、
予備費として 総額の10〜15% を確保しておくと安心。
● 木造リノベに強い会社を選ぶ
木造の経験値が高い施工会社は、
予期せぬ劣化への対処がスムーズで質も安定します。
まとめ:木造住宅は“自由度の高いリノベ向きの家”
中古の木造住宅は、構造の状態さえ確認できれば
リノベとの相性が抜群の住宅です。
間取り変更の自由度が高く、木の質感を生かした温かい住まいがつくれます。
しっかり調査+適切なパートナー選びで、
自分たちの理想の暮らしを実現しましょう。